DIARYイクラの日報 / イクラのブログ
イクラ不動産は怪しい?評判は?
イクラ株式会社代表取締役の坂根です。
不動産会社の方で、「イクラ不動産って初めて聞いた。怪しいかも。騙されたくないから評判が知りたい」と思う方もいらっしゃると思います。
不動産会社の方から、先日たまたまTwitterで私宛てにダイレクトメッセージがきました。
こちらに答える形で、イクラ不動産がどんなサービスなのか、つくった背景について改めてご説明致します。
(実際に届いたTwitterDM)
突然のダイレクトメッセージ、失礼いたします。
●●(会社名)の●●(名字)と申します。
このようなアカウントからご連絡して申し訳ございません。ツイートや反応をしたりはせず、ただ存在させている・今後もそうしていく予定のアカウントです。
この度は、貴社の不動産調査の知識についてまとめたサイト拝見した上で、伺いたいことがありご連絡を差し上げました。
いきなり私自身の話になってしまい申し訳ないのですが、お話させてください。
私は、昨年の12月はじめに●●(会社名)で営業アシスタントとして働き始めた者です。
営業と事務の架け橋としてサポートをする仕事に日々奮闘しています。三ヶ月間、●●(会社名)で研修を終えたあと、●●店に配属となる次第です。
実は、私自身、●●大学を半期留年したあと卒業後、気持ちの落ち込みから一年間もの長い空白期間があり、そのなかで色々と思うところがあり社会や家族に貢献したいという気持ちが芽生えようやく就職活動を始めました。
しかし、はっきり言って高い学歴もなければ留年もしている、更には卒業後一年間の空白期間がある人間の現状は非常に厳しく、苦戦をしていたところ今の会社に拾っていただきました。
そういう経緯もあり、この三ヶ月間を無駄にしたくないという強い思いがあります。先日、社内で全体会議があり、社長や会長や専務、売り上げ上位の人間の話を聞くなかで、まず自分は予習・復習の徹底をして地に足つけること、それから自分の信念をもって動く必要性を感じました。
そこで、自分の原動力、信念はなんだろうと考えました。未熟ながら、今の私の信念は人に対する感謝の気持ちです。誰かが誰かを支えて生きている、そういう毎日に感謝をし、それを行動で示して、自分もまた同じように誰かに貢献したいという気持ちを忘れずに最後まで貫き通したいと思っております。
話は戻りますが、新人として一から不動産のイロハを勉強していくなかで、現地販売で売り物件の知識を深めたり、周辺情報を集めてみたり、進んで近隣の方に挨拶をしてみたり、マイソクを配ってみたり、それでもやはり空き時間というものが発生してしまうもので、隙間時間に勉強をはじめました。それが正しいかはどうかわかりませんが、とりあえずやってみることにしました。
そのなかで出会ったのが貴社の不動産調査の知識というページでした。僭越とは存じますが、このページを拝見して思うことは、非常に見やすさ・わかりやすさにおいて圧倒的に他を抜きん出ていると感じております。
「言葉の意味がわからなくて辞書を引いたら、その辞書の言葉が難しすぎて結局あまりわからなかった」、というようなことが勉強を始めた段階でよくあるのですが、このページは内容がとにかくやさしく理解しやすいのです。
とはいえ、たとえ内容がわかりやすくとも、ぎっちり文字だけを詰めて書いてあると、それだけで読む気が失せると思うのですが、そういった点も配慮されており、頭に入ってきやすくとても助かっております。
私は頭がよくありません。頭がよくないといっても様々あるかとは思いますが、なかでも理解力が低いという意味で頭のよくない私にとって、このページは日々の学びの大きな助けになっています。ありがとうございます。
話は変わりますが、弊社の部長から、以前「何にでも幅広く自然に興味をもてるとよい、それはお客様のためにも自分のためにもなるよ」という話がありました。
そこで、まさに疑問に思ったことがありお尋ねしたいのですが、どうしてこのようなページを作ろうと思われたのでしょうか。
もちろん、理由として会社として世間に知ってもらうことの重要性を想像してみたのですが、それにしてもそれだけでは説明のつかない労力を勝手ながら感じ、質問させていただきました。まったくの見当違いでしたら申し訳ございません。
なにかきっかけや理由がありましたら、是非とも教えていただきたいです。
それから、もしよろしければ、坂根様が仕事において最も大事にしていることも教えていただけたら幸いです。
このメッセージは、業務上必要不可欠なものではありませんので、ご多忙のところ返信いただかなくても大丈夫です。ですが、もしお時間とお気持ちが向いた際には返信いただければ幸いです。長文失礼いたしました。
●● ●●(氏名)
上記のDMに対して、私は以下のようにメッセージを返信致しました。
イクラ株式会社で代表しております坂根大介と申します。
メッセージの返信が遅くなりましたこと、はじめにお詫び申し上げます。
メッセージの節々で●●さんが熱い想いを持って仕事に取り組んでいらっしゃることを感じ、私のお話で何か参考になればと思い、返信させていただきます。
>どうしてこのようなページを作ろうと思われたのでしょうか。もちろん、理由として会社として世間に知ってもらうことの重要性を想像してみたのですが、それにしてもそれだけでは説明のつかない労力を勝手ながら感じ、質問させていただきました。まったくの見当違いでしたら申し訳ございません。
そこまで感じ取ってくださり、本当に嬉しいです。
こちらについて回答致します。
この背景を伝えるためにはなぜ、そこに至ったのかを伝えなければならないため、長文になることをお許しください。
今私は36歳で、2009年に関西大学を卒業し、野村證券に入社しました。3年経ち、新たな挑戦したいと思い、2013年2月に三井のリハウスに転職しました。26歳の時です。
この当時はまだ自分が独立して会社を経営する、なんてことは全く考えていませんでした。
それでも、金融業界から不動産業界に転職した私でも、すぐにある違和感に気づきました。
会社携帯はiPhone4を支給されているのに、夜9時ぐらいになると上司から「おい、チラシをまいてこい」と言われたことです。
最大手の不動産会社に関わらず、なぜITが進んでいないのか、なぜチラシなのか違和感を感じました。ただ、その違和感はすぐに解消されました。
不動産売却の売主層のメインが50〜70代だったからです。
そのときこの世代はほとんどスマホを持っていなかったのです。
つまり、
①売主に認知してもらうためにチラシをまく
②チラシを見た売主から電話がなり、査定をして欲しいと言われる
③私が売主の家に訪問査定をし、媒介を結ぶ
④売主の家の写真を取り、自社HPやSUUMOなどのポータルサイトに掲載する。また、不動産調査をする
⑤SUUMOなどを見た買主が内覧したいとメッセージがくる。案内する。
⑥買付交渉が入る。売買契約書と重説を作成し契約する。
⑦残代金決済と引き渡しする
不動産売買は大きくこのような流れになっており、売主が50〜70代に対して、買主は結婚や子供が増えたりすると家を購入するので30〜40代が多く、スマホを持っている世代だから、自社HPやポータルサイトから買い反響がくるのだと理解しました。
同時に、あと10年すればチラシは徐々に廃れていき、スマホからの反響が主流になると確信を持ちました。
私にとって、居住用の不動産売買仲介営業は天職でした。
よく私は、野村證券などの証券営業を「マンモス型営業」、三井のリハウスなどの不動産売買仲介営業を「アリ地獄型営業」と考えていました。
なにかというと、野村證券は本人が嫌がっていても、お金持ちにしか相手にしないので、しつこくしつこく富裕層に営業し、証券を購入してもらう、というスタイル。
まさにマンモスが嫌がっているのに、旧石器時代の人々は大物だと狩りをしていた姿と重なりました。
一方、居住用の不動産売買営業は、どれだけしつこく営業しても、すでに生活している方で売る気のない方は売りませんし、もう家を持っていて満足して住んでいる方は買いません。
つまり、チラシをまいてあとはお客さんが来るのを待つだけ、というスタイルなので、店舗に来られた方は家の売買に興味がある方だけですから、自然にそっと背中を押して「この家買いませんか?売りませんか?」というだけで決まり、お客様に喜んでいただける、報酬として仲介手数料もいただける、なんて最高な営業なんだと思っていました。
そうして順調に営業成績を残していましたが、あるときに大きな問題にぶつかりました。
11月か12月だったと記憶しています。
売主は40代女性の方で、お家を売りたい理由を聞くと「離婚で、来年の3月末までに売りたい」と言われて、なぜ3月末なのですか?と聞くと「子供の学校区の関係」と言われました。3ヵ月で売り切るとなると相場価格での提案が適切だと思い、3000万円です。と提案しました。
ところが、別の不動産会社が査定にきて、A社は「うちは3500万円で売ります」そして、B社は「うちは4000万円で売ります」と言われました。
結果的に、その売主はB社にお願いしました。
売主様になぜですか?と伺うと
「坂根さん、安く売ろうとしていませんか?なんか楽をしようとしてるというか…あと、他の会社に比べてファイティングポーズが足りないと思います」と言われました。
結果的にその売主様は成約に1年かかり、4000万円から価格を何度も改定し、最終価格は2800万円でした。
(起業のきっかけ)
このことは私を大いに悩ませました。
私も他の会社のように売れないとわかっていても4000万円と高値釣りすべきだったのか、それともこれで良かったのか、いや、どのようにお客様に伝えればわかってもらえたのか、と。
ある結論に至りました。
売主様は「自分の家がいくらなのか」そして、「どこの不動産会社が良いのか」客観的に知ることができないからだ、と。
実際、売主様が家を売るときに意思決定しないといけないのは「売出価格をいくらにするのか」と「不動産会社選択」の意思決定のみです。
この2つがわかるサイト、サービスが日本にはない、と気づきました。
そこで、2019年2月に会社に提案しました。上記のようなサイトがこれからは必要だから作りたい、と。
私の提案は一蹴されました。
その日の悔しさは今でも忘れておらず、その夜は寝れなかったことを今でも覚えております。
その夜に決意しました。
「自分で作ろう、自分がやるんだ」と。
その次の日から、早速プログラミングを自力で勉強し始めました。
3ヵ月もすればサイトを作れるようになり、2019年5月にサイトをオープンしました。
すると売主様が数組、興味を持った不動産会社も数組問い合わせが来たのです。
「ほら、やっぱりね」と思いました。
(自作した一番最初のイクラ不動産のサイト)
そこで、起業することを決意しました。
2019年9月です。29歳になっていました。
会社は「あなたの家いくら?」からイクラ株式会社としました。
しかし、サイトは2ヵ月も経つと、閑古鳥が鳴いていました。
今になって考えると当たり前でした。営業出身の私は、マーケティングという観点が抜けていたのです。
そこで整理しました。
イクラは、売主が自分の家がいくらかわかり、どの不動産会社が良いのかわかるサービスだとすれば、「売主」と「不動産会社」を集めないといけない、と。
それぞれどうしたらイクラを認知してサービスを利用してもらえるかを考えました。
不動産営業の新人(といっても26歳ですが)時代に困っていたことを思い起こすと、先輩が全然不動産の知識ややり方を教えてくれなかった、という事実でした。
私の上司には全て教えていただきましたが、当時全国2位の営業マンで多忙すぎて、相談できないとき他の先輩社員に聞いたときに教えてくれなかったのです。
なぜ、教えてくれなかったのかというのは、不動産営業マン時代にわかっていました。
先程、業務のフローについて述べたと思うのですが、
①売主に認知してもらうためにチラシをまく
②チラシを見た売主から電話がなり、査定をして欲しいと言われる
③私が売主の家に訪問査定をし、媒介を結ぶ
④売主の家の写真を取り、自社HPやSUUMOなどのポータルサイトに掲載する。また、不動産調査をする
⑤SUUMOなどを見た買主が内覧したいとメッセージがくる。案内する。
⑥買付交渉が入る。売買契約書と重説を作成し契約する。
⑦残代金決済と引き渡しする
不動産仲介業は1人ですべて完結してしまう仕事なのです。
そう、チームワークがいらない仕事なのです。
もし、トヨタみたいな車の製造業で、ある人はドアをつける担当、ある人はタイヤ、というように流れ作業になっていると、誰かが遅れると全ての工程が遅れてしまうためにチームワークが重要です。だから、自分たちの仕事が遅れないためにも、優しく新しく入った新人にも丁寧に仕事のやり方を教えてくれるのですが、不動産仲介業は端的に言うと、新しい社員の存在は自分の売却案件や購入案件が1つ減ることになる「敵」以外何にでもないのです。
「敵」が育ってしまうと自分が追い落とされることになるため、不動産仲介業はしっかりとした教育がなされない、という環境があったのです。
「仕事は背中を見て盗め」的な考えが今でもあるのです。
先輩社員も同じように育ってきているため、しっかりとした「正確な知識」を持っている社員がそもそも少ないな、とわかっていました。
そのときにネットで不動産用語を検索してみたのですが、いくら探しても出てこないのです。辞書みたいに難しいサイトばかりでした。
当時、役所調査に行くとき先輩社員から「おい坂根、ついでにズミショウ取って来い」と言われて、(ズミショウ…?済証っていっても建築確認済証と検査確認済証があるんじゃないか?)と思ってどちらですか?と聞いても「お前アホか。そんなのも知らんのか。わからんのならもういい。」的なやり取りがありました。
不動産売買仲介において、物件調査は「売主」側仲介の仕事です。
もし、私と同じように不動産調査の知識や方法がわからない人が調べている営業マンがいるとしたら、その方は「不動産売買会社の売却案件を扱っている方」です。
その方に検索してもらい、イクラ不動産を認知してもらうために2016年10月に作った不動産調査や知識のサイトが今のサイト(当時はイクラちゃんねるという名称でした)です。
(自作した初期のイクラちゃんねる)
意識したのは、私と同じように不動産業界に転職してきた初めての営業マンでもわかるように書いた、ということです。
私は、大学時代塾講師のアルバイトをしておりました。
小学生・中学生・高校生全てを担当していたのですが、一番難しかったのが小学生でした。
なぜなら、「小学生でもわかるように教える」ということが一番難しかったからです。
その経験もあり、「できるだけ平易にわかりやすく簡潔に」というコンセプトで記事を書いてきたので、同じ気持ちを感じ取ってくださったことに非常に嬉しく思いました。
そこから1年ぐらいはがむしゃらに記事を書いた記憶があります。一方で売主向けの集客やサイト作成なども同時並行を進め、端折りますが今に至ります。
最後に仕事において大切にしていること、をご紹介いたします。
経営者としては「大義を掲げ王道を進む」です。
また、仕事において大切にしていることで言うと、「誠実であること」「Giveできること」です。
イクラが直接接する売主様は、ネガティブな理由で家の売却に至ることも多いです。そこで誠実かつGiveの精神を持って手を差し伸べることは必要不可欠です。
また、仲介業は他人の物(家)を売る仕事で、そこで対峙するのは「人」であるため、不動産会社の方は、人を見抜く力がすごいです。
そこで取り繕っても見抜かれてしまうため、真摯に誠実であることを大切にしています。
以上になります。
●●様のこれからのご活躍を楽しみにしております。
イクラ株式会社
坂根 大介
ちなみに途中で書いた「おい坂根、ついでにズミショウ取って来い」の文言、こちらの「確認済証・検査済証・建築確認・完了検査とはなにかわかりやすくまとめた」という記事なのですが、2年で24万PV、1年で12万PV見てもらえるページになりました。
長い記事なのですが、平均滞在時間も6分超と真剣に読んでくれていると思うと嬉しい限りです。
以上になります。
長文ご覧いただきありがとうございました。
イクラ不動産をご検討いただく際になにかのお役に立てますと幸いです。